段ボールの規格を徹底解説!サイズや強度基準と選び方のポイント

段ボールは、商品を安全に梱包したり、効率よく輸送したりするために欠かせない道具です。

しかし、段ボールにはさまざまな規格があり、それぞれの特徴や用途を理解していないと、適切な選択が難しい場合があります。

例えば、「段ボールの強度はどのくらい必要なのか」「どんなサイズが適しているのか」といった疑問を持ったことはありませんか?

段ボールの規格について知ることで、効率的かつ、コストパフォーマンスの高い段ボールの選択が可能になります。

この記事では、段ボールの規格に関する基礎知識をわかりやすく解説。

さらに、用途に応じた選び方の具体的なポイントも紹介します。

これを読むことで、段ボール選びに迷うことなく、いつでも最適な選択ができるようになるでしょう。

ぜひ最後までお読みください。

段ボールの規格とは?

段ボールは、輸送や梱包に欠かせない素材ですが、その規格や特徴を知っておくと、より適切な利用ができます。

ここでは、段ボールに関する基本的な知識について、詳しく解説しますので、参考にしてください。

JIS規格・JCS規格と段ボールの関係

段ボールの規格は、JIS規格(日本産業規格)とJCS規格(段ボール業界規格)によって決められています。

JIS規格は、日本国内で広く使用される工業製品や素材に関する基準を定めたものです。

段ボールにおいても、JIS規格が存在し、その品質や仕様が明確に規定されています。

また、JCS規格は、JIS規格にて規定されない段ボールや、段ボールの試験方法などについて決めています。

詳しくは、全国段ボール工業組合連合会の「段ボールの関連規格」をご覧ください。

段ボールの構造と素材

段ボールは、外装材と中芯材の組み合わせで構成されています。

基本的な構造は、以下のようになっています。

ライナー(表紙・裏紙)

外側を覆う平らな紙で、強度や見た目に影響します。

一般的にクラフト紙が使用されており、印刷が可能なため、企業ロゴや商品情報を印刷することも多いです。

中芯(フルート)

段状の波型構造を持つ部分で、衝撃吸収や強度を高める役割を果たします。

中芯の波型構造(フルート)は、形状によって以下のように分類されます。

段ボールの構造や素材を理解しておくことで、梱包する物に適した段ボールを選ぶことが可能です。

また、必要以上に強度を持たせすぎない選び方をすることで、コスト削減や環境への配慮もできます。

ライナーや中芯(フルート)について詳しくはこちらをご覧ください。

段ボール規格に基づくサイズ基準

段ボールのサイズは、物品の保護や輸送の効率を考慮して設計されています。

サイズ基準は、主にJIS規格や業界の標準に基づいて定められており、これに従うことで製品を安全に梱包しつつ、コストを抑えることが可能です。

一般的な段ボールのサイズは、次の3つの寸法で表されます。

  • 内寸法:段ボールの内側の寸法で、梱包物のサイズに直接影響します。
  • 外寸法:段ボールの外側の寸法で、配送料金の計算などに用いられます。
  • 展開寸法:段ボールを平らに広げた際の寸法で、製造時に重要です。

内寸法と外寸法の違いは、使用される紙の厚みによって変わります。

シングル段ボールの場合は約5mm、ダブル段ボールでは約10mm程の差が生じることが一般的です。

段ボールサイズの標準規格

段ボールにはさまざまなサイズがありますが、効率的な梱包や輸送のために、ある程度決まった基準があります。

特に宅配業者の配送料金に基づくサイズ(60サイズ~140サイズ)、あるいは内容物の大きさ(A3・B4・A4・サイズ対応のもの)などによってサイズを決めることが多いです。

段ボールにおける強度の基準

段ボールの強度は、梱包物の保護や輸送中の安全性を確保する上で、非常に重要です。

主に圧縮強度や耐破裂強度、耐貫通強度などで測定され、それぞれ異なる特性を持っています。

具体的には以下のような強度を示しています。

圧縮強度

段ボールが潰れるまでの耐久力のことです。

輸送時、荷物を積み重ねた際にかかる負荷を知るために必要になります。

破裂強度

外部からの圧力や衝撃に対して、段ボールが破裂せずに耐えられる強さを示します。

耐貫通強度

鋭利な物が当たった際、段ボールがどれだけ耐えられるかを示す指標です。

強度に影響する要因

段ボールの強度は、以下の4つの要因によって大きく変わります。

具体的にみてみましょう。

1.段ボールの構造

段ボールには、シングル(1層・両面段ボール)、ダブル(2層・複両面段ボール)、トリプル(3層・複々両面段ボール)などの構造があります。

層数が多いほど強度が高まるため、重い物品や長距離輸送にはダブルやトリプルの段ボールを選ぶのがよいでしょう。

2.フルート(波形)の種類

フルートの高さや密度は強度に直接影響します。

例えば、Eフルートのものは薄くて軽量なため、強度は比較的低めです。

反対にAフルートのものはクッション性が高く、耐圧性に優れています。

3.使用される素材

段ボールの素材である「クラフト紙」の質や厚みも強度を左右します。

リサイクル紙の割合が高いものはコストを抑えられる一方で、新品の紙を多く使用したものは強度が高くなる傾向です。

4.製造プロセス

接着剤の種類や加工技術も、段ボールの最終的な耐久性に影響を与えます。

特に耐水性を求める場合は、防水加工を施すことが一般的です。

段ボール規格をふまえた選び方のポイント

段ボールを選ぶ際は、JIS規格や段ボール業界の標準を理解した上で、梱包物に適した製品を選択するとよいでしょう。

選び方のポイントは梱包物の特性や輸送環境・コスト・環境問題への配慮といった複数の要素をバランスよく考慮することです。

それぞれのポイントについて詳しく説明します。

梱包する製品の種類に応じた選び方

梱包する物によって、適切な段ボールを選ぶことが基本です。

規格に準じた既製品を選ぶと入手が簡単ですが、製品の形状やサイズに合わせて、カスタムサイズの段ボールを検討するのも選択肢のひとつでしょう。

利用シーンに応じた、おすすめの段ボールをいくつか紹介します。

軽量の製品の場合

書籍・衣料品・雑貨など、軽量で壊れにくい製品には、シングル段ボール(BフルートまたはEフルート)が適しています。

これらは軽量でコストも低いため、日常的な利用に最適です。

中・重量の製品の場合

電化製品やガラス製品のように壊れやすく、少し重量があるものには、ダブル段ボール(CフルートやAフルート)が適しています。

厚手の段ボールを使用することで、輸送中の振動や衝撃から製品を守ることができるでしょう。

重い製品や工業用品の場合

大型の家電製品や工業部品のように重量があり、輸送距離が長い場合には、トリプル段ボールを推奨します。

耐圧性や耐久性が高く、積載時にも形状を維持できるため安心です。

特殊条件がある場合

冷凍食品や湿度に敏感な製品を輸送する場合、防水加工や防湿加工が施された段ボールが必要です。

コストを考えて選ぶ

段ボールを選ぶ際は、コストパフォーマンスを意識することも重要です。

規格品の段ボールは大量生産されているため、オリジナル製品より安価で、特に大量に必要な場合にコストを抑えられます。

また、製品の特性に合わせた強度の段ボールを選ぶことで、無駄な出費を防ぐことができるでしょう。

必要以上に高強度な段ボールを選ぶと費用が増すため、梱包物に適した強度を見極めることがポイントです。

環境への配慮

段ボールを選ぶ際には環境への影響も考えましょう。

リサイクル可能な素材を選ぶことで、廃棄物を減らし、資源の有効活用ができます。

また、軽量の段ボールを選べば輸送エネルギーを削減でき、二酸化炭素の排出量を抑えることにもつながります。

オリジナルサイズの段ボールをオーダーするには?

規格外の製品を梱包する場合や、ブランドイメージを反映させたい場合には、カスタムサイズの段ボールがおすすめです。

その場合は、以下の流れで製作していきます。

1.どんな段ボールが欲しいか明確にする

梱包する商品の形状や重量、輸送方法を考慮し、必要なサイズや仕様を具体的に決めます。

どんな段ボールが欲しいか、具体的に分からない場合は、製作会社に相談するのもよいでしょう。

2.段ボール製作会社へ相談し、見積もりをもらう

オリジナル段ボールを製作している業者に見積もりを依頼します。

このとき、希望する寸法や素材、印刷内容を正確に伝えることが重要です。

3.試作品を確認する

仕様が決まったら試作品を作ってもらい、商品が問題なく収まるかなど、耐久性を確認します。

必要であれば、この段階で調整を依頼しましょう。

4.本製作・納品

試作品に問題がなければ、実際に必要枚数を発注します。。

納期や数量の確認も忘れずに行いましょう。

まとめ

段ボールの規格や選び方について理解を深めていただけたでしょうか。

この記事を参考に、梱包する製品に最適な段ボールを選んでみてくださいね。

また、オリジナルサイズの段ボール製作をご検討の際は、ぜひ当社にお問い合わせください。